キャンプの歴史

フレッシュマンキャンプ・新入生キャンプ

 立教女学院短期大学では新入生に対して、対話や活動を通して友人同士や先生方と親睦を図り、相互理解を深め、これから始まる学生生活をより有意義なものとするためにフレッシュマンキャンプ・新入生キャンプを実施してきました。

幼児教育科(天城山荘)

 第1回目は1968(昭和43)年6月6日~7日に「オリエンテーションキャンプ」という名称で八王子セミナーハウスにて実施しました。翌年からは名称を「フレッシュマンキャンプ」とし、実施時期を5月末に変更して2泊3日の日程で、主に伊豆の天城山荘にて実施しました。1985(昭和60)年度からは英語科・幼児教育科それぞれ学科別の実施となり、英語科は清里の清泉寮で、幼児教育科は引き続き天城山荘での実施となりました。その後、英語科は清泉寮のほか東京YMCA野辺山高原センター、富士青少年センター清渓寮、ブリティッシュヒルズ、キープ自然学校など複数の施設で、1泊2日の日程(ブリティッシュヒルズのみ2泊3日、ネイティブ講師による完全英語体験プログラム)で、幼児教育科は一貫して天城山荘で2泊3日の日程で実施しました。

現代コミュニケーション学科(キープ自然学校)

 2000(平成12)年度から実施日程も学科別となり、2005(平成17)年度から名称が「新入生キャンプ」に変わりました。また、2011(平成23)年度は、東日本大震災の影響でキャンプ自体が中止となり、その代替企画として「新入生研修会」を実施しました。内容は英語科がクラス別に東京国立博物館、アイヌ文化交流センター、山本有三記念館等の見学とそれを元にした発表、幼児教育科が品川プリンスホテルでのクラス対抗ボウリング大会とテーブルマナー講座の受講で、両科とも日帰りの企画でした。
 翌年度からは再び通常のキャンプが行われ、2013年度にスタートした現代コミュニケーション学科も、英語科と同様、キープ自然学校でキャンプを行いました。新入生キャンプは最後の新入生を迎えた2017(平成29)年度まで続きました。

シニア・コンファレンス

 卒業を控えた2年次生を対象に、友人同士や先生方と語らい、学生生活をより充実したものとするためにシニア・コンファレンスを実施してきました。

熱海にて

 第1回目は1968(昭和43)年11月29日・30日に熱海の暖海荘で行い、翌年からは御殿場の東山荘、伊良湖国民休暇村しおさい荘、天城山荘などで、1泊2日または2泊3日の日程で実施しました。1972(昭和47)年度からは南伊豆国民休暇村での実施となり、1974(昭和49)年度から実施時期を5月に変更して、2年次生全体で行うシニア・コンファレンスは、1975(昭和50)年度まで続きました。
 1976(昭和51)年度以降は形式を変更して、各アドバイザークラスで適宜実施することにしました。

マーガレットキャンプ

 マーガレットキャンプは、自由参加の学生および教員が、自然の中で寝食を共にし、テーマに沿った対話や活動を通して相互理解を深め、学生生活や人生について考えることを目的とした、宗教委員会主催の2泊3日のキャンプです。
 このキャンプは、開学初年度の1967(昭和42)年7月に実施した「軽井沢キャンプ」から始まりました。翌年度は名称を「サマー・セミナー」とし、7月の8日間を3期に分け、第1期は「信仰と人生」、第2期は「文学と人生」、第3期は「自然と人生」というテーマで、学生は興味・関心のあるテーマを選んで参加しました。

軽井沢キャンプ場

 1970(昭和45)年度~1973(昭和48)年度は名称を「教員学生修養キャンプ」と変え、2泊3日のキャンプとなり、1974(昭和49)年度から名称を「マーガレットキャンプ」としました。この頃から、キャンプの企画、運営に学生が積極的にかかわり、学生の意向を取り入れたプログラムや身近なテーマで、より開かれたキャンプとなりました。

 マーガレットキャンプは、1989(平成元)年度まで主に7月中旬に実施してきましたが、1990(平成2)年度からは学事暦の変更に伴い8月または9月上旬の実施となりました。1979(昭和54)年度に東山荘で行った以外は、1967(昭和42)年度から2010(平成22)年度まで立教女学院軽井沢キャンプ場で行いました。2011(平成23)年度は東日本大震災の影響で実施できませんでしたが、2012(平成24)年度から天城山荘で実施し、翌2013(平成25)年度が最後のマーガレットキャンプとなりました。 

ボランティアキャンプ

 三重県三重郡菰野町にある「菰野聖十字の家」(社会福祉法人 鈴鹿聖十字会)で、有志学生によるボランティアキャンプが始まったのは1983(昭和58)年度のことでした。「菰野聖十字の家」は、介護等が必要なお年寄りや障害のある方々のための施設で、学生たちは施設のご指導のもとに利用者のみなさんの活動の補助などを行いました。ボランティアキャンプは、その年から2009(平成21)年度まで27年にわたり毎年3月下旬に3泊4日のスケジュールで実施され、参加学生たちの献身的な働きかけにより利用者の方々からは「春になると立教さんたちがやってくる」ととても楽しみにされていました。

菰野聖十字の家

 2010(平成22)年度は、実施の直前に起こった東日本大震災の影響で中止を余儀なくされましたが、翌2011(平成23)年度は再開することができました。しかし、それが「菰野聖十字の家」での最後のボランティアキャンプとなりました。
 2014(平成26)年度には「東日本大震災被災地を訪ねる旅」と称して「ボランティア体験キャンプ」を実施しました。内容は被災地である石巻市・女川町・南三陸町などを訪ね、震災のお話を聞き、復興のためのお手伝いをするというものでした。そしてこのキャンプが最後のボランティアキャンプとなりました。

海外語学研修・国際交流キャンプ

イギリス・セミナー

 第1回目の海外語学研修は1972(昭和47)年度の「イギリス・セミナー」で、その後は名称を「イングリッシュ・セミナー」として1975(昭和50) 年度まで実施しました。いずれも夏休み期間中の約3週間で、そのうちの3日間または4日間を立教英国学院での英語研修にあて、他の日程はイギリスを中心としたヨーロッパ各国の文化等にふれる研修としました。1977(昭和52)年度には2つのプログラムを用意し、一つは「ヨーロッパ・セミナー」と称し「イングリッシュ・セミナー」と同様のプログラムを実施し、もう一つは「カナダ・アメリカセミナー」と称してカナダとアメリカをめぐりながらアメリカの高校のアニーライトスクールのセミナーに3日間参加するというプログラムでした。その後は、同様のプログラムにて1980(昭和55)年度に「ヨーロッパ・セミナー」、1981(昭和56)年度に「アメリカ研修旅行」を実施しました。

 1981(昭和56)年度にアメリカのウェスタン・ミシガン大学及びウィリアム・スミス大学と提携校としての協定を締結し、1983(昭和58)年度には「夏期セミナー」をウェスタン・ミシガン大学で実施しました。このセミナーは、約20日間の日程のうち半分以上をウェスタン・ミシガン大学における英語研修にあて、実質的な語学研修セミナーとしました。この研修は、1985(昭和60)年度まで続き、その2年後の1987(昭和62)年度にはウィリアム・スミス大学での研修を加え2つのプログラムとし、学生の希望によりどちらかを選べるようにしました。

 その後は、提携大学から日本人学生のために独自の充実した語学研修プログラムの提供があり、本学主催の語学研修は一旦終了となりました。

 

 第1回目の国際交流キャンプは、1992(平成4)年度に学院キリスト教センターの主催で、短大の学生を対象としてスリランカで実施されました。学生たちは約2週間の日程の中で多くのスリランカの人々と交流し、さまざまな活動に参加しました。「スリランカ国際交流キャンプ」は、その後1997(平成9)年度まで続きました。1996(平成8)年度のみスリランカ国内の政情不安のためフィリピンにて実施し、フィリピンの人々とともに植林などを行いました。1999(平成11)年度からは、主催を学院キリスト教センターから短大に移して、「フィリピン国際交流キャンプ」を実施しました。このキャンプでは約10日間の日程でフィリピンの子どもたちと交流することが主な活動内容でした。翌2000(平成12)年度から2003(平成15)年度までの4年間は、国際情勢が不安定なため、海外でのキャンプは中止となり、名古屋国際こども学校や沖縄で子どもたちと交流し、平和について考えるキャンプを行いました。2004(平成16)年度からフィリピンでのキャンプを再開し、2014(平成26)年度まで実施しました。

韓国国際交流キャンプ

 2004(平成16)年度には学内に国際交流センターを設置したことによって、国際交流キャンプのみならず海外語学研修も再開し、2004(平成16)年度からは夏休みを利用しての「夏期英語研修」をアメリカのウェスタン・ミシガン大学、スティーブンズ大学、カリフォルニア大学リバーサイド校などで、また春休みを利用しての「春期英語研修」をオーストラリアのアデレード大学で実施しました。いずれも約1ヶ月間の研修で、アメリカとオーストラリアにおける夏期と春期の年2回の英語研修は、2012(平成24)年度まで続きました。
 また、2007(平成19)年度~2010(平成22)年度には「韓国国際交流キャンプ」を10日間の日程で実施し、グリム幼稚園や新丘大学を訪問して交流を深めました(2008年度のみ新型インフルエンザの流行により直前で中止)。さらに2008(平成20)年度~2010(平成22)年度には「ヨーロッパ文化研修」をフランスのパリス・アメリカン・アカデミーにて25日間の日程で実施し、その中で学生たちはパリ・コレクションのバックステージのお手伝いをするという貴重な体験をすることができました。

フランス文化研修

 この時期は、海外語学研修や国際交流キャンプのプログラムが一番充実していた時期で、特に2007(平成19)年から2010(平成22)年度にかけては、1年間に4つないし5つのプログラムを実施しました。しかし、2011(平成23)年度は東日本大震災の影響で、オーストラリアでの「春期英語研修」以外のすべてのプログラムが中止となり、2013(平成25)年度からはオーストラリアまたはアメリカでの夏期英語研修のみとなりました。その後2014(平成26)年度、2016(平成28)年度にはフィリピンのトリニティ大学で行われたCUAC(世界聖公会大学連合会)主催のサービスラーニング研修に数名の学生が参加しました。そして2015(平成27)年度から2018(平成30)年度までは中国語学修を目的とした「台湾研修」を台湾師範大学にて約2週間の日程で実施しました。

 このようにして海外語学研修・国際交流キャンプは、2018(平成30)年度をもってすべてのプログラムを終了しました。